「家をつくる」ということ

「家をつくる」ということ

どうして家を求めるのか?

 オイルショックに変わって、「ウッドショック」と
言われるほどに、世界中の木材価格が高騰しています。
その主な原因はコロナパンデミックであり、震源地は
アメリカと言われています。
 
 すでに大感染の山を越えたアメリカでは、リモート
ワークも日常化し、人の多い都市部から感染リスク
の少ない郊外へと移り住む人が増えることで、住宅需要
が急騰しました。そこで足りなくなった建築用木材が、
世界中に影響を及ぼしているのです。

 生活様式が変わるということが、どれだけ影響を
及ぼすものであるかということが、この事案だけでも
わかります。パンデミックという大きな刺激によって、
現在の生活環境に対する見直しを、いかに多くの家庭
で話し合われたかということです。

そして、今までは気づかなかった家への不満はもちろん
期待も大きく変わっただろう
と思います。しかし、その
分析結果は、もう少し将来を待たなければ得られない
でしょう。

あらためて、「どうして家を求めるのか?」という
大命題を探ってみたいと思います。家族構成の変化や
子どもの成長、あるいは家賃負担等が同期にあげられる
ことが多いのですが、調査機関によって、その答えも
まちまちです。

そこで今回は、平成30年に国土交通省が行った
『住生活総合調査』データから見てみましょう。
最近5年以内に住み替えた実績ある世帯と、今後5年
以内に住み替える意向を持っている世帯を分けて、
その目的が発表されています。

要望を持って家を住み変えようとする意向世帯と、
すでに実際に住み替えを果たした実施世帯では、
想像以上の差異があります。意向世帯のトップに
ある、「広さや部屋数」、「使いやすさ」、
「新しさ・きれいさ」、「性能の向上」はそのまま
新しい家への要望のように聞こえます。パンデミック
で外出が禁じられている家庭の中で、同様の話が
交わされていても不思議ではありません。

一方、実施世帯では「通勤・通学の利便性」がトップ
で、その後に意向世帯と同じ「広さや部屋数」、
「新しさ・きれいさ」に混じりながら、「世帯から
の独立」、「結婚による独立」、「家族との同居」
など、現実的で直接的な目的で住み替えに至った
様子が見えます。

 いわば、意向世帯としての希望が、現実的なきっかけ
が与えられたことで住み替えに至ったかのようです。

 トップの「通勤・通学の利便性」は、たまたま良い
物件に出会ったと考えれば分からないではありません。
しかし、パンデミックの時代を経験してしている今の
私たちの目で見れば、もうすでに過去の調査のように
も思えます。

そして、実施世帯の会話のテーブルには、少なくとも
これらの話題が上がっていたであろうと想像されます。

 では最近、家族の間で、どのような「おうちの
はなし」をされていますか?

家をつくる


子どものために家をつくる

『住生活総合調査』の住み替え実施世帯の現実的な
目的の項目を見ると、家族構成の要員も大きく思えます。
 
 例えば、子どもを生みたい、子どもが生まれた、
そして学校に通うようになった、独立して家を出ること
になったという要因です。実際に調査内容にも、子育て
に関する調査項目があります。

「住宅及び居住環境に関しての子育てのために最も重要
と思う項目」(平成25年)で、親が子どものために整え
てあげたいと思う内容がわかります。


この中で、特に目をつけておきたい項目は、子ども部屋
を確保することに対する意識が低いことではないで
しょうか。子ども部屋はあれば良いというものではなく
家の広さや間取りの中で居場所が確保されていることの
方が大事だ
と考えられているようです。

 家族の間で「おうちのはなし」があれば、おそらく
子どもの話題も多く交わされていると思います。

アメリカで開発された「家族療法」とは?

子どもは成長の過程の中で、さまざまな事案を抱える
ことがあります。例えば、不登校の事態が起きると、
家族の間で話し合うことも増えるでしょう。

 実は、そんな不登校の子ども達に対して、アメリカ
で開発された臨床心理学の「家族療法」という
カウンセリング法があります。この療法の中でも、
家は大きな役割を果たします。

 不登校や家庭内暴力を含めた子どもたちの悩みは、
原因が子どもだけにないことの方が普通です。
ですから、子どもへのカウンセリングだけでは解決
できません。

 また、母親だけでもたらず、父親を含めた家族全員
が揃ってカウンセリングを受けます。もしペットを
飼っていれば、ペットも一緒に連れて行きます。
ペットに対する家族それぞれの態度で、いろいろな
側面や問題点が見えてくることがあるのです。

 子どもが自分以上に親がペットを大事にしている
ように感じたり、逆に自分が可愛がっているペットに
虐待があれば、自分がその仕打ちをうけているように
感じることが原因になることもあります。こうした
家族間の関係を重視して治療に当たります。


家をつくる

間取りは家族療法の聴診器

 

この「家族療法」のカウンセリングのひとつに、
今住んでいる家の間取りを簡単に描き、日常的な
生活のシーンを家族で語り合います。間取り図の中
で、自分と家族のよくいる場所をそれぞれがマーク
するのです。

 その居場所に加えて、家族それぞれの顔がどちら
の方向を向いているかということもわかるようにし
ます。

 例えば、子どもが父親から目を向けられていない
と感じているというようなことが、この絵の中で
わかるのです。自分は普通に平等に付き合っている
と思っていても、マークされてみると自分の中の
微妙な気持ちを知らされることもあります。

 家族の関係は、気づかないうちに常に子どもたち
の心に影響を及ぼしています。また子どもと両親
との直接的な関係よりも、大人同士の関係が子ども
に大きな影響を及ぼすこともあります。

 普通に暮らしていれば、間取り図など縁のない
のもですが、使い方一つで家族の関係を診断し改善
するためのツールになるのです。実際にカウンセ
リングに当たる医師には、間取り図はまるで聴診器
のようなものとなります。

家をつくる


家族でそれぞれのやりたい夢を共有する

 

もうひとつ「家族療法」のカウンセリングでは、
家族みんなで協力しながら理想の「おうち」を
粘土細工でつくりあげます。粘土ですから増築も
自由で、ワイワイガヤガヤと進めてゆきます。

 この粘土細工で、家族それぞれのやりたい夢が
自然と語られ、家族に共有されるきっかけになり
ます。「家のかたち」を話し合うことは、家族間の
気持ちを確認することに等しいのです。こうして
不登校の子どものカウンセリングとなります。

 もちろん、実際に新しい家を計画する時は、
主体となる夫婦で話し合うと思いますが、子ども
を含めた家族で「おうちのはなし」をすることは、
子育ての大事な瞬間にもなるはずです。


誰が継ぐのか?相続の問題

 

さらに『住生活総合調査』の集計から、相続
のことも探ってみましょう。
住宅を相続する可能性を、借家世帯に聞いている
調査があります。

 借家世帯のデータですから、、持家のように親
と住んでいる世帯は少ないはずです。それでも、
相続の可能性が年々増えていることが見て取れ
ます。少子化が進み人口現象の局面となると、家
を相続する可能性が高まるのです。

 こうした相続の話題は親の生死の話にもつながる
ので、家族の会話に上がることも多くはないはず
です。でも、相続で問題が起きる事案のほとんど
のケースが生前に親も含めて十分に話し合ってこな
かったことから始まっているのは疑いようがありま
せん。

 ましてや、2015年に相続税制が改正され、相続
税対象者が倍増しています。相続税対象となる土地
家屋を所有していれば、条件次第では数千万円の現金
や有価証券を持っているだけでも、相続税の納付対象
者になる場合があります。

 反面、住宅資金贈与では、両親からはもちろんの
こと、祖父母から孫へ贈与にも非課税限度額の特例
があります。相続する家のことだけではなく、子ども
や孫が住宅を取得することで相続税対策とすることも
できるのです。

 確かに、親の生死やお金のことは、親子や兄弟の間
でも話しにくいことかもしれません。しかし、話し合
っておくことに越した対策は見当たりません。

家をつくる


もっと家族で「おうちのはなし」をしよう

コロナパンデミックは、私たちに新しい病との闘いを
もたらしました。そして生活様式や経済までも破壊
されたと感じます。

 病になって初めて健康であったことをありがたく
思うように、パンデミック以前の生活がいかに平穏で
あったかを知り、戻りたいとも思います。医療の現場
というのは、健康であった時の状態に戻すのが役割と
なっています。

でも、家のことを話し合うのは、元に戻る話を超え
て、さらに新しい生活様式への転換に挑もうとする
ことに通じます。子どもの不登校も、相続を円満に
迎えることも未来につながることです。

 しかもほとんどの話が、家族が暮らしている「お
うち」の中の出来事に違いありません。そうであれば
できれば月に1度か2度、家族で「おうちのはなし」を
してみてはいかがでしょうか。今の家についてでも、
また新しい家についてでも構いません。幸せな家族を
つくる大事なコツのひとつになると思います。家を
つくるということは家族をつくることでもあるのです。

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