ロクマルハウス

ロクマルハウス

家を知る人の家・平屋

 

・家のかたち
・理想の家
・平屋の魅力

 

家のかたちというのは、めまぐるしく変わるものではありませんが、

意外と時代によって流行りもあります。

どのような家に住んでいるのか、

そしてどのような家を求めるのか。

 

今、注目を集めるロクマルハウスと呼ばれる家とは

どのような家なのでしょうか。

 

🏡家のかたち

 

「歌は世につれ世は歌につれ」といわれます。

それぞれの世代の心に残る歌を、誰もが持っていると思います。

そして旋律を聞けば、さまざまな思い出がよみがえってきます。

もしかしたら、ちょっとした家の風景を

思い浮かべる人がいるかもしれません。

 

しかし、歌とは違って、家はそれほど

大きな変化をしているようには思えません。

確かに新しい家はたくさん増えていますが、

本当に劇的に町並が変わったと感じることは多くないでしょう。

家の変化は、それほどゆっくりとしたものなのです。

 

それでも、縁側や和室、日本庭園や瓦葺の家は、

遠い昔の家のように感じます。

今では、極めて限られた人しか、

そのような家を新築しようとする人はいないでしょう。

やはり確実に、家も変わっているのです。

「家居にこそ、ことさまはおしはからるれ」

と兼好法師は『徒然草』第10段に書いています。

 

家の構えやかたちを見れば、

そこに住む人がどのような人物であるかを

推し量ることができるというような意味です。

その意味では、歌ほど移り変わりは激しくなくても、

時代の生活感や家族感が変わることで、

家のかたちも変わってきたのです。

また、古い既存住宅をリノベーションして

暮らすというライフスタイルも増えてきています。

 

家のかたちを懐かしむと同時に、

日本の住まい文化を守る上でも忘れてはいけないことなのかもしれません。

しかし、こうした日本の家の価値を見出しているのは、

意外と海外から日本に来た人たちから始まりました。

そして若い人の間にも広がりつつあります。

 

👥ロクマルハウス

 

こんな日本の住まい文化の中で、最近、

「ロクマルハウス」という言葉を聞いたことがありませんか。

新しい家の建て方として、ニュースにもなりました。

現代の家づくりの1つの兆候として、捉えられています。

ロクマルハウスとは、とても単純なもので、

60歳になってから建てる家のことです。

 

アラサーやアラフォーという世代を

指している話しと大差ありません。

じつは近年の新規住宅の需要は、

20代から30代の若者が支えてきました。

家を建てる大きな契機として結婚や出産があり、

家族構成の変化や、今の住まいの狭さが新築の動機となることは、

いつの時代でも変わらないことなのでしょう。

 

しかし、60歳になればなったで、

夫婦関係や子どもの巣立ちなど、

家族構成の変化を同じように迎えています。

さらに現実の生活の中でも、

健康や安全性のことにも敏感になっています。

この世代に新しい家への要望が生まれても不思議ではありません。

その上、すでに長い経験を積むことで、さまざまな見識を蓄えています。

 

その見識が、住まいづくりにも生かされれば、

家のつくり方やかたちそのものに影響を及ぼすことも必然です。

その事例はきっと、若い人の住まいづくりにも参考になるでしょう。

 

「家は3度建てなければ、分からない」と良くいわれます。

ロクマルハウスを建てる人たちは、

たとえ現実に家を3度建てていなくても、

経験の中で家の使い勝手などについて学習している人たちです。

ロクマルハウスの中に、

住まいの理想のかたちとしての答えが見えているのかも知れません。

 

👥ロクマルな人

 

ロクマルハウスを建てる世代は、

20代を高度成長期で過ごし、

日本経済の転換期であるバブル時代を30~35歳で迎えた人たちです。

ちょうど子育ての時期でもあり、

その頃に住宅を取得した人は、

住宅の資産価値が下がるという日本経済が初めて経験したことを

同じように体験してきました。

 

ローン残額よりも住宅価値の方が低くなり、

失意の中にいた人も少なくありません。

どうにか、現状を打破するために頑張ってきた人たちです。

そして高度成長の量産化住宅やデフレ時の瀟洒な家を手に入れ、

子育てをしてきた人たちでもあります。

一方、ロクマルの世代は、まだまだ古き良き日本の面影を、

記憶の中に残している人たちでもあります。

 

戦後の復興により、親の世代が都市へと大移動したことで、

田舎の風景と大きく変化する都会の風景の両方を眺めてきました。

日本の原風景を、リアルに心にとどめる貴重な世代といえます。

敗戦という結果から日本の文化は否定されても、

家に必ず和室を求めることはこの頃は忘れられていません。

 

家のかたちが西洋化するのは、

もっと世代を下ってからのことです。

その上に住宅の業界も、大きく変わりました。

住宅の工業化が進み、世界でも類のない自由度で家を作ることが

できるようになったのです。

さらに住宅の工業化に合わせて、

住宅部品も広く流通し、

地域の建設企業も高品質な住宅を建てられるようになりました。

 

現実に注文住宅では、

大手メーカーによって建てられている住宅よりも

地域の建設企業で建てられている住宅の方が圧倒的に多いのです。

こうした時代の中で、ロクマルの世代が努力を重ね、

自身の経験を省みて、改めて我が家を新築する機会が増えてきました。

そして今、ロクマルハウスが話題になっています。

 

🏡理想の家は平屋?

 

もちろんロクマルハウスにも、さまざまなかたちがあります。

たとえ同じ時代を生きてきたとしても、

それぞれが描く理想の家が違うのも当然のことです。

でも、その中にも、ちょっと興味を引く共通点があります。

それは平屋が多いことです。

ただ60歳を過ぎて、高齢化住宅として、

平屋を選んだわけではありません。

 

じつは家を平屋で作ることにはたくさんのメリットがあり、

豊かな生活を超歌できるからこそ選ばれています。

たとえば平屋は、2階建と比べても広く使えます。

とても単純な話しで、上下階を結ぶ階段の面積だけでも、

およそ2坪分=4畳分の面積を使うことができます。

 

階段に続く廊下の面積も考えれば、

同じ坪数でも平屋なら一部屋多くつくれるということです。

その増えた面積分を納戸にすれば家の中は片づきます。

また面積を寝室に充当すれば、

互いの距離をほどよく保ちながら暮らすことができる部屋になります。

典型的な建売の家ではできない暮らしが、平屋にはあるのです。

 

また、広さを感じるのは面積だけではありません。

上手に屋根をかけてデザインをすれば、

上階がないので高い勾配天井の空間をつくることができます。

ダイニングやリビングなどの人が集まる部屋では天井を高くし、

水回りや個室では天井裏を収納として使えば、

さらに部屋を広く使えることになります。

 

実際の平屋の生活空間を見た時に、

なんとなくゆとりを感じるのは、

こうした面積の優位点が重なっているからではないでしょうか。

決して欲ばって豪華な家をつくるのではなく、

たとえ小さな家であったとしても、

平屋なら少しでも広く暮らせるということです。

平屋が理想の家として語られることが多いのも、わかるような気がします。

 

🏡庭とのつながり

 

平屋は庭と近い生活ができるのも大きな魅力のひとつです。

基本的には、平屋ならどの部屋からも庭に降りることができます。

また平屋を建てるのに向いている土地は、相応の広さがあるものです。

庭では家庭菜園を楽しみ、草花を育てては家の室礼に生かすことができます。

 

実がなる木を植えたり、野鳥が飛んでくるのも楽しめます。

庭に面した掃き出し窓には日差しが差し込み、

小さい頃に過ごした縁側の記憶がよみがえります。

室内から掃き出し窓越しに庭を眺めれば、

屋根から降りてきた軒先が上に見えます。

これも平屋ならではの光景です。

 

雨の日でも、風が強くなければ多少窓を開けて過ごすこともできます。

窓の外には、上手に庭木を配置して、

ピクチャーウィンドウにして庭を家の中に取り込みます。

中廊下のある大きな平屋ではなく、

廊下をできる限り少なくしたコンパクトな平屋では

風通しの良い家になります。

 

水回りや収納などを北側に並べると、

そのメリットを活かすことができないので、

できれば東西側にまとめた間取りを考えておきます。

 

🏡安全・安心の家

 

平屋での生活というのは、

段差がないバリアフリーが基本になります。

階段からの転落するといった心配もありません。

また、地霞でも、平屋が強そうなことは誰でもが想像できるでしょう。

平屋は安全で生活しやすく、安心な家なのです。

 

また、実際に建てられている平屋の事例を並べてみても、

決して大きな家ではありません。

面積の利点を活かして、コンパクトにつくられているのです。

その意味では、総額予算を抑えた安価な家づくりをするのも

ロクマルハウスの特徴です。

家をつくることだけではなく、

その後に迎える生活の質をしっかりと考えていることがわかります。

 

その意味では、ロクマルな人たちの

さまざまな意見を知っておくことも

家づくりにとても役立つのではないでしょうか。

家の中のさまざまな空間で、

60代を迎えた人たちの”あるある”的な意見が

まとめられた本があるのでオススメしておきます。

健康のこと、利便性のことなど、ちょっとした工夫を知っておけば、

さらに快適さを増すことにつながると思います。

 

でも、ロクマルハウスは決して、

老後の生活とか介護をテーマとしている訳ではありません。

自身の経験を活かして、本物の生活の質を追求しているのです。

家のこと、生活のこと、健康のこと、

そして生きがいをよく知っている人の建てている家です。

その答えのひとつが、平屋の家であるということです。

 

これを理解すると、じつはロクマル的な平屋が、

若い世代の家族にも活かせる家であることがわかると思います。

そしてそれは、長く住まうことのできる理想の家になるかもしれません。

 

追記

 

〇 この秋、テレビ放映でロクマルハウスの紹介がありました。

  家を建てる人は、子育て世帯だけでなく、60代の人も動き始めています。

 

〇 参考になるのが『65歳からのリフォーム&家づくりです。

  
 
〇 また、参考になるのがこの本です。

  『60歳で家を建てる湯山重行著

  毎日新聞出版社

  
〇 すでに、さまざまな家に住んだ経験を持つ

60歳代の方が選んでいるのは平屋です。

よく理想の家は平屋だとはプロからみても実感です。

 

〇 今回は書籍の紹介が多くなりましたが60歳代の夫婦の奮闘物語。

  建て替えか?買い替えか?リノベーションか?それが問題だ!

  この書籍も参考にしてみてください。 

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