
DIY・自分の住まい
最も手軽な塗装の楽しみ
・ほんとうの住まいづくりのコッ
・素人作りだからいい!
・さまざまな塗料
「家のことはプロに任せるもの!!」そう思っていませんか。決してそんなことはありません。自分の家は自分流の楽しみ方をしなければ、もったいないものです。
そして家には、さまざまな楽しみ方があります。その中でも最も手軽に始められる塗装のDIYをまとめてみました。
🏢ほんとうの住まいづくりのコツ
家をリフォームする。家を新築する。そのように決心してから、完成イメージを頭に描いて計画している時は、ほんとうに楽しいものだと思います。おそらくそんなに何度も経験できることでもありませんし、大きな予算を動かすという高揚感もあります。
といっても、その楽しみの期間は意外と短いものです。計画そのものは、おそらく数週間程度ではないでしょうか。それに比べると、できあがった家で過ごす期間は、ずっとずっと長いものです。
だからこそしっかり計画を立てて、準備をしたいと思うのかもしれませんが、本当の住まいづくりのコツは、住みながら色々と工夫を重ねることです。また、長く住めばそれだけ傷む場所も出てきます。メンテナンスをすることも大事です。
つくるのも修繕をするのも、プロに任せてというのではなく、自分で手がけることができれば、自分の家にももっと愛着が湧いてきます。だからこそDIY (Do It Yourself)が、ほんとうの住まいづくりを楽しむコツになるのです。
近年では、『劇的ピフォーアフター』などのリフォーム番組が人気が出たことで、家をリフォームすることの良さが知られてきました。さらに自分でDIYをする番組も増えてきました。DIYは数十年も昔から、使われてきた言葉です。
じつはアメリカでは、ずっと昔から、もっとも人気のあるテレビ番組はDIYでした。ようやく日本でもDIYが浸透し始めています。さまざまなヒット商品が女性から始まるように、DIY女子と呼ばれるようになって人気が出てきました。もちろんDIYにもいろいろとあります。
作業に合わせて素人でも扱えるようなさまざまな電動工具も揃ってきました。たとえば、よく見かけるのはグルーガンという接着のための工具です。100円ショップでも売っている専用の樹脂を、熱で溶かして接着します。熱が高くならないものなら材料を選びません。
まずはこうした工具を揃え、工具箱を眺めているだけでもやる気が湧いてくるものです。DIYをうまく進めるコツも単純です。
①下手で良い
②自分流で良い
③手間をかける
人が見た時に、プロが仕上げたように見えるほどでは趣がないと考えます。また、いかにも買ってきたもののように見えても同様です。また、手順もわかっていないので、時間がかかるのも当然のことです。それは、どのようなDIYでも共通しているコツです。
たとえばDIYの中でも、最も簡単に始められるものに塗装があります。ニスやペイントを塗る作業は、意外と誰でも多少なりとも経験しているのではないでしょうか。ちょっとした部分に、これまでとは違う色を配置するだけでも、雰囲気は変わるものです。
単純にできると思われる塗装でも、コツは共通しています。ペンキやハケの塗りムラができないように塗るのがプロの仕事ですが、塗りムラがあるからこそ、作業の思い出も残り愛着の湧くものになります。そしてプロなら簡単に塗ることができるものも、時間をかけて何度も重ねて塗れば、思ったよりも上手に仕上げることができます。
とにかく素人であれば一気に仕上げてしまわないで、塗料は少し薄めに作って、ちょっとずつ何度も塗るという手間をかけることです。プロではないので、完成を約束した日もありません。気に入らなければ、また重ね塗りすれば良いのです。
まずは手軽な塗料から
さぁ、それでは実際に手を動かして、色々と塗って住まいづくりを楽しんでみましょう。どのような塗料を塗るのかによって、雰囲気はガラリと変わります。塗装の中で最初に手がけるのにオススメなのは、木材にオイル系の材料を塗ることです。
オイルが染み込まないと味わいが出ないので、塗装されていない無垢の木に塗ります。こうしたオイル系の塗料を塗ると、木材は潤いを得て、生き返るような気がします。塗料はホームセンターに行けばたくさん種類があります。
昔から使われている顔料の入っていない自然のオイルを使ってみましょう。荏油(エアブラ)や椿油(ツバキユ)です。ハケで塗っては油がつきすぎるので、ボロ布に少しだけ染み込ませて、油を伸ばすようにして塗り広げます。1~2時間もすれば、油も適度に乾燥して、木材の色の質感が驚くほど変わります。
失敗しようと思っても失敗できないほど簡単に塗れます。実際に塗る作業をしてみると、木材の表面にある木目の癖やちょっとした傷などに気づきます。塗るたびに撫でて確認するようになると、愛着が湧いてきます。塗ることはほんとうに愛情を込めることなのです。
他にもたくさんの塗料の種類があります。大きな面積ではなく、できれば小さな面積から塗る楽しみを始めてはいかがでしょうか。
質感を変える
塗ることがワクワクして、楽しくなるような魔法の塗料があります。塗ったものが金属に変わってしまうのです。木材はもちろんガラスやプラスチック、コンクリートや布、紙まで、なんでも塗れば、まるで金属のように見えます。
じつはほんとうに金属になっていて、表面は95%が金属そのものです。ですから硬度も高く触感も金属です。塗る下地が外部に耐えられるような、たとえば石などであれば外に置いても心配いりません。たとえば銅の塗料を塗れば、時間が経てば錆びて緑青が出てきます。
さらに楽しみのひとつは、磨くことができることです。家具やドアの扉などの取手に塗って磨けば、金属独特の光沢を放ちます。たとえば家の中の金物を、真鍮にして揃えることもできます。また磨き方次第では、アンティークの印象を創り出すこともできます。
もしくは日常的に触る部分であれば、自然と磨かれて古びた雰囲気が出てきます。使えば使うほど味わいが出て、歴史を感じさせる塗料になるでしょう。
壁の用途を変える
少し広い面積で、室内の一部の壁を塗ってみましょう。たとえば塗ればマグネットがくっつく塗料があります。キッチンの冷蔵庫にマスコットやメモなどをくっつけている家もよくあります。同じように使える壁ができるのです。
キッチンではなく玄関近くの一部の壁をこの塗料で塗っておけば、家族の連絡をとり合う壁になって楽しそうです。もしくは壁一面が家族のアルバムになるように、たくさん貼りつけることができます。この塗料はマグネットがくっつく下地の塗装と、表面の塗装と2回塗る必要があります。
また塗れば壁が黒板になる塗料もあります。チョークで描けば何度でも消して、描きかえることができます。お絵かきが好きな子どもには、夢のような家になるでしょう。もちろんパパやママからのメッセージも残してあげてください。
部屋の機能を変える
少しずつ小さな面積で塗って慣れてきたら、部屋全体を塗り替えてみましょう。そんな時には、ローラーで塗れる珪藻土があります。珪藻土には調湿性能や消臭、防カビなどの機能があります。珪藻土の壁は、プロに頼めばコテを使って入念に塗り込みますが、水性の塗料で素人のハケやローラーでも塗ることができる塗料です。
一部屋くらいなら、1日もあれば塗れてしまいます。壁紙では、特に時間が経てば継ぎ目が目立つこともありますが、塗った壁には継ぎ目はありません。質感も厚く感じて、ちょっと高級感を感じる部屋になります。
じつはビニールクロスの上から、塗ることができる塗料もあります。ビニールでは失われていた調湿・消臭の機能が発揮できるので、塗装を楽しんだ後に、快適さまで手に入れることができるのです。
高機能の塗料
さらに鍛えて塗装の腕が上がれば、できることは広がります。でも、ちょっと難しいと思ったらプロに頼む方が良いかもしれません。もちろんプロだからこそできる、高機能の塗装もあります。たとえばエイジングという塗装です。
先の金属になる塗料でも可能ですが、まるで絵を描いたり彫塑をするように、壁などを芸術作品のように創り込みます。まるで数十年の時が流れたかのような仕上がりを目指すのです。店舗やテーマパークなどでは、よく使われていますが、一般の家庭でやられている家もあります。
自分のセンスで、コツコツと塗りあげるのも良いですが、プロにはプロの技術があります。さらにプロが扱うような塗料では、家の熱性能を向上させる塗料もあります。たとえば遮熱塗料です。一般的には断熱材というのは熱の伝わりにくい材料を、相応の厚さにして使うことで熱を遮ります。
その効果が塗るだけでも発揮できる塗料です。ちょっと家の悪さを改善したいとか、冷房の効きを良くしたいと思ったら、塗装で解決できる場合もあるのです。その塗料にも、さまざまな原理があります。たとえば、塗装面の表面に微小な気泡体を浮かせることで実現します。
室内にこの塗料を使えば、冬はストーブや暖炉の熱を生かして、夏は調湿性や冷房の効率を上げてくれます。塗装の効果ですから目に見えないものですが、現実に住まわれて快適さを感じている人も少なくありません。住まいづくりを考えると、なんでもかんでも建てる時、リフォームする時に、頼んでおこうと思ってしまいます。
でも、じつは住みながら自分でもできる簡単な塗装で変えられることはたくさんあります。住みながらいろいろと工夫を凝らし、本当の住まいづくりを楽しんでみてください。
追記
・家は住みながら楽しむものです。
・リフォームの中でも、自分でできるDIYの代表は塗装です。
左官の仕事は難しくても刷毛やローラーで塗るのであれば楽ですね。
・さまざまな塗料で楽しんでください。
・コツは一気に塗ってしまわないで何度も塗ることで
慣れながらミスをカバーして最後の『ひと手間』を
かけてやることです。
・また、小さな面積から何度か経験して、少しづつ大きな
面積を手掛けるといいでしょう。
・健康珪藻土【ナテユール】はローラーや刷毛で既存の クロスの上から塗ることができます。
調湿能力が優れた健康珪藻土【ナテユール】ならカビが
発生しない理想的な空間が生まれます。