
インスタ・テクニック
インテリア撮影術
・建築写真
・カメラの構え方
・プロのテクニック
SNSのコミュニケーションの中でも
「インスタ映え」が流行語大賞を取るなど、
インスタグラムなどの画像によるコミュニケーションが盛んです。
そこでプロのカメラマンに通じる、
建築やインテリア写真の撮影テクニックの基本の基本をまとめてみました。
📷最新カメラ
インスタグラムの時代になって、
街中でも一眼レフのデジタルカメラを持ち歩く
若い女性を見かけるようになりました。
スマホや携帯電話にも、高機能のカメラがついているにもかかわらず、
さらに機能を求めてデジカメを求める人も多くいます。
同時に、日常的な風景や出来事にも、
多くの画像が発信されて、誰もが見ることができる情報社会の到来です。
もちろん画像技術も大きく進化しています。
ピントを合わせるのもオートフォーカスで心配がなくなり、
露出や絞りといった専門家でなければできなかった調整技術も、
今では自動で最適な状況に合わせてくれます。
シャッターチャンスでさえも、連続写真やライブカメラ機能などで、
撮り損ないのないように撮影することもできます。
そして、撮影後の写真をさまざまに加工することも、
アプリケーションを使えば簡単にできます。
カメラの進化は、一般の人でもカメラマンになれる
機会を増やしてくれたのと一緒です。
残るは構図などの写真のセンスですが、
社会に多様性が認められると、
そのセンスの幅も広くなります。
風景や人物の写真は普段から撮影することも多いと思います。
それに対して、建築写真は、ちょっとハードルが高いと思ってしまいます。
そこで建築写真の構図に関するテクニックを、
ほんのちょっとだけ知れば、建築カメラマンになれます。
📷垂直に撮る
まず始めに、建築写真の基本は、垂直に撮ることです。
部屋が四角い空間である以上、家の柱や、壁の出隅・入り隅、
あるいは出入戸には垂直線が見えるはずです。
もし傾いた柱や壁があれば不良建築であるのと同じように、
建築カメラマンは垂直線が垂直に見えるように写真を撮るのが基本です。
逆に、たったこれだけのことが守られていないと、素人の撮影に見えます。
ではどのようにカメラを構えたら垂直に撮れるのでしょうか。
構えているカメラが下を向いていると、
柱のラインは下方がすぼみ、カメラが上を向いていると、
柱のラインの上方がすぼみます。
つまり、カメラをしっかり水平に構えれば、
垂直の線が傾くことなく撮れるのです。
多くの人は、撮影しようとする対象に目線を向けるのと同じように
カメラを構えてしまうものです。
しかし、空間を撮影しようとするのであれば、
この垂直を守るルールを無視しては撮れません。
📷低く構える
建築写真として垂直に撮るためには、
簡単なカメラの設定をしておきます。
それはグリッド設定と呼ばれるもので、
画面に格子状のガイドラインが表示され、
垂直や水平のラインを合わせやすくしてくれます。
どのようなカメラにもついている機能ですので、利用しない手はありません。
中には、そのグリッドで水平に構えられていることを
教えてくれる機能もあります。
こうしたグリッドを活用して、水平に撮ろうとすると
不自然に感じることもあります。
その原因の多くは、カメラを構える高さにあります。
一般的な住宅では、天井高さは2.5mほどあります。
カメラを水平にすると、そのちょうど半分の高さで
構えた時に空間全体がバランス良く映ります。
つまり、立ったままカメラを水平に構えたのでは、天井に近すぎるのです。
胸の高さ、あるいはひざまずいてカメラを構える位でちょうど良くなります。
この高さよりもさらに下げて撮影し、
床面が強調されるように撮ると、空間が広く感じられます。
つまり、カメラの位置を低く構えることが大きなポイントなのです。
ただし、テーブルの裏面が見えるようになると、
恣意的なアングルになってしまいます。
📷平行に撮る
垂直に撮るのと同じように、床や天井、
そして家具などの天板などの水平線も、
平行になるように撮ると、写真に対称軸が現れて、
ちょっと緊張感のある写真になります。
この時のカメラの構え方は、正面にある壁とカメラが、
しっかり平行になるように構えることです。
その感覚をつかむためには、夜の窓ガラスや鏡に向かって
カメラを構えてみるとわかります。
そこに写っている自分やカメラの位置が、
画面のちょうど左右の真ん中にあれば、
カメラはガラスや鏡と平行に構えられています。
少しでもセンターからずれていれば、カメラは斜めになっています。
人間の目の構造も基本はカメラのレンズの構造と変わりません。
しかし目で見て情報を脳で処理し、
本来あるべき水平と垂直を補正して認識しています。
水平と垂直をしっかり合わせて撮影した写真の方が、
人の目には自然になじむように感じるのです。
これで建築写真のプロが狙うような写真になります。
📷広角を使わない
プロの写真の中には、実物以上に広く見える写真があります。
これらの写真の多くは、より広い画角が撮れる
広角レンズを使用しているものです。
しかし広角レンズに頼りすぎると、歪みの大きい写真になりがちです。
通常のカメラでも広く撮るためには、
できる限り後ろに引いて撮ることです。
背後に壁があれば、必ず背中をつけて撮影します。
もしそこに開口部があれば、その外側に出て撮影します。
いたずらに広角レンズに頼るよりは、ずっと見やすい写真になります。
📷光を撮る
さらにプロのカメラマンは、
ピントや露出などの調整テクニックを駆使して撮ります。
一眼レフカメラではプロと同じ調整も可能ですが、
基本的には・AUTOで機械に任せても十分です。
建築という空間を撮る写真では、窓からの光や、
その光の届きにくい暗部などのコントラストを捉えることが大事です。
人物やモノを主役にして撮る時には、
照明やフラッシュを使うこともありますが、
このような人工的な光は、空間を撮影するのには適していません。
AUTOに設定していても、撮影不適の警告が出ることがあります。
その多くは、シャッター速度が遅くなり、
画像がブレることを警告しているものです。
この場合も補助の光は使わず、三脚を立ててカメラを固定することで、
ブレないようにするのがテクニックです。
三脚を使うと、本当のプロカメラマンのような気持にもなります。
📷構図をつくる
①垂直に撮る。
②水平に撮る。
③低く構える。
④自然光で撮る。
⑤ 広角を使わない。
という5つのテクニックを使うだけで、
建築カメラマンの基本は習得できます。
これ以外の難しい設定は、最新のカメラに任せれば良いことです。
5つのテクニックを守ると、自然とカメラの構え方が決まります。
その条件の中で、より良い写真を目指すには、構図を決めることが必要です。
構図は絵と同じで、さまざまなモノの配置などによって、
空間全体の広がり感や奥行き感を見せることです。
人が実際に見ている視界は200°以上の広さがあります。
動いていれば、360°といっても過言ではありません。
しかし画像として撮影するのは、
ほんの一部を切り取ることになります。
そこで、たとえば手前にあるもの、
左右に広がってつながっているものがあれば、
これを画像に入れると、画角外につながっている空間を
想像させることができます。
つまり、遠くにあるもの=遠景は全体を画像に入れ、
近くにあるもの=近景をフレームアウトするように撮れば良いのです。
📷接写モード
このような奥行きのある構図でも、
プロカメラマンはすべてにピントを合わせるように撮影します。
それはそれで大切なことですが、
近景と遠景のどちらかにピントを合わせると、
情感のこもった画像になります。
一眼レフカメラでなくても、通常のデジカメには接写モードの設定があります。
このモードを利用すると、近景にはピントが合って、
遠景がぼやけた画像が撮れます。
逆に、遠景にピントを合わせて、手前の画像がぼやけると、
まるで隠し撮りをしているかのような臨場感のある画像になります。
こうした情感のある画像を、プロが撮影したかのような、
しっかりと基本が守られた写真と一緒に使えば、
インスタグラムとしても見栄えのするものになるでしょう。
📷とにかく撮る
構図のテクニックまで含めたここまでの基本は、
じつは立派なカメラはなくてもできることです。
じつはデジカメ以上にスマホに搭載されているカメラが進化しています。
むしろ、スマホのカメラの方が優秀であると思える面もあります。
誰でも最適な撮影ができるように、
標準設定にしておけばピントも明るさも気にする必要はありません。
その上、たとえば部分的にピントを合わせたいときには、
画像のその場所を長押しすればすみます。
近景にピントを合わせてから、
これまでのテクニックを活かして構図を決めれば、
遠景をぼかした画像も簡単に撮れます。
組み込まれているモードを選択すれば、
さらに複雑な撮影も可能です。
とにかく、いろいろと撮影モードを試しながら、
自分の好みの写真を見つければ、
自分の画風を決めてゆくこともできます。
新しい家であればもちろんのことですが、
家は自分専用のスタジオでもあります。
育てている植物やその生長、
新しく仲間に加わったアイテムのひとつひとつも、
そのスタジオの中で自分流の画像の中に残してはいかがでしょうか?