お風呂は好きですか?

お風呂は好きですか?

体も心も健康にする日本の大発明お風呂は好きですか?

・「おふろ白書」
・お風呂の効能
・理想のお風呂

一日の仕事を終え自宅に帰りつき、ようやく家族でくつろぎの時間を迎えます。食事を摂り、就寝の前に、ひと風呂を浴びて床に就く。

そんな日常が、家族の過ごす家の中にあります。リビングや寝室が大事な空間であることには変わりはありません。それと同じくらいに、お風呂も大事な空間です。家の水周りの中心でもあるお風呂について考えてみましょう。

お風呂が好きですか?

給湯機器のメーカーであるノーリツは、毎年11月26日(いい風呂の日)前後に、「おふろ白書」を発表しています。一日の生活の中でも、お風呂の瞬間を楽しみにしている人も少なくないはずです。

「おふろ白書」(2016) には、次のような調査結果があります。じつに85%を超える人が、お風呂が好きと答えています。それはなにも家のお風呂に限りません。別の調査ですが温泉が好きかどうかを聞いても、高い数値が出ています。

似たように75%近くの人が好きと答えています。逆に嫌いと答えている人は、5%にもなりません。そんなに大事なお風呂の時間を、家の中でも大切にしない手はありません。では、このお風呂の時間を、どのように過ごしているのでしょうか。

もちろん身体を洗って清潔にすることは、基本となることですが、お風呂がそれだけの時間ではないことが良くわかります。それも、日本のお風呂に特有の湯船に浸かるという時間が生み出す過ごし方のようです。

お風呂で実践していること 2009

何もせずボーとする63.1%
入浴剤35.2%
半身浴22.4%
マッサージ17.1%
音楽を聴く7.3%

たとえば湯船の中では、なぜか不思「議なことに、ポジティブな気持ちになる人が多いのではないでしょうか。最初にお湯に浸かって、大きく息を吐いた時に、まるでネガティブな気持ちは全部吐き出してしまったかのようです。

確かに、ため息を始めとして、思わず声を出してしまう人も半数近くいます。しかも、じつは女性の方が多いというのも興味深いことです。そして、ひとたびリラックスして落ち着けば、身体が温まって、血液も全身を廻り、頭も活性化してきます。

ですから、お風呂で考えごとをすることも多く、働き盛りの20代~40代では、6~7割もの人があると答えています。もちろん、圧倒的な数の人が、入浴によって健康管理に役立っていると感じていますし、日頃の疲れを解消するためには、睡眠に次いで入浴を上げています。

お酒を飲んだり、趣味に没頭したりする時間を作るよりも、ずっと手軽に短時間で疲れを解消することができる、魔法のような装置が湯船であるといっても過言ではなさそうです。お風呂は、身体の健康だけではなく、精神の健康までもが得られているようです。

疲れを解消する手段はなんですか? 睡眠87.3%
入浴71.4%
趣味26.7%
食事23.3%
お酒28.4%

ここまでくるとお風呂は、さまざまな先進技術やサブカルチャーにも負けないほどの、日本の大発明と呼びたくもなります。そんな大発明が、日本では誰の家にもあるのです。

「湯」の文化

そもそも「湯」という漢字は、中国でも同じ意味で通じそうに感じますが、中国ではスープという意味となり、「温水」と表現します。英語も「hot water」と表し、温かい水に「湯」という名前をつけて大切にしているのは日本特有のものなのです。

その水を沸かしただけである「白湯」も、平安時代には身体を暖め胃腸に効用のある薬として処方されていました。古くから日本人は「湯」を、健康に関するものとしていたのです。この「湯」の効用はたくさんあります。なによりも身体を洗い流すことで清潔になります。

清潔になることだけでも、多くの病の原因から遠ざかることになります。湯に浸るのは、たとえ半身浴でも十分に体温を高めてくれます。人間の身体の中で最も太い筋肉は、ふとももの筋肉である大腿筋です。これを含む足腰には全身の筋肉の7割が集まっています。

この筋肉への血流がポンプとなって、身体中に廻り、体温をあげてくれるのです。体温が高まると、免疫力が向上するといわれています。温泉治療がさまざまな病気に効能を発揮する大切なポイントのひとつです。さらにその血流は、当然のように脳への流れも活性化され、いろいろと頭の中で考えが巡るようになります。

考えに行き詰まったら、じっと座って考えるよりも、歩いて足を動かした方が良い考えが浮かぶのも、大腿筋から始まる血流が活性化したおかげなのです。それで効用は終わりません。一時的に高まった体温が下がる時に、睡眠が訪れます。

そのため寝る前に身体を暖めることは、快眠にも効果があります。清潔になり、疲れを取り、リラックスして、免疫力を高め、脳を活性化し、ポジティブに考えを廻らせ、そして最後に快眠を得られるという、七得の効用がお風呂にはあるということです。9割近い方が、日常のお風呂が健康管理に役立っていると感じているのも妥当です。

日本の入浴習慣

でも、本当に日本だけの習慣なのか、「おふろ白書(2017)」では在留外国人644人に話を聞いています。自国の浴室では、半数以上の人が浴室とトイレが併設されていると答えています。たとえば北米では、不動産取引の際に、部屋数と同時にバスルームの数で間取りの概要を伝えます。

総面積に加えて、3ベッドルーム&2バスルームという感じです。じつはこの時、2.5(トゥアンナーフ)というように、ハーフバスルームという表現があります。これは1階の単独につくられたトイレのことを表します。それほど、バスルームとトイレは一体化したものなのです。

しかし日本のお風呂は、リラックスして、ちょっと長い時間を過ごす空間であり、トイレの認識とは違います。逆に洗面・脱衣室とつながっていることも敬遠するほどです。このことだけでも、単純にバスルーム=浴室と訳すことは、正しくないのかもしれません。

そして日本の浴室を味わった外国人には、日本の入浴習慣を受け止めている人も多くいます。お風呂の効用が得られる日本流の入浴習慣が身につき始めているのです。

日本に来てからの入浴習慣
浴槽につかるようになった48.0%
浴槽につかる前にシャワーを浴びるようになっ44.3%
お風呂に入る回数が増えた30.3%
お風呂に入るタイミングが変わった16.2%

本国にいた時に比べて、入浴時間が長くなったという外国人は6割を超えます。心地良いことは、どの国の人にも共通することなのかもしれません。

理想のお風呂

そんな世界にも自慢できる日本のお風呂ですが、新築や改装をしない限りあまり知ることもできません。じつは技術先進国である日本ではお風呂も、進化をし続けています。そもそも、湯船に浸かるために、追い焚きができることだけでも、外国では考えもつかないことかもしれません。

シャワーで落ちてきたお湯を受けて、流すだけの機能から比べたら格段に先進的です。さらに今では、ボタン1つで湯量を設定して適温でお湯をはり、自動的に止めてくれます。止めるのを忘れたというような失敗をすることも、今では考えられないのです。そしてお湯の温度が下がれば、自動的に温めてくれます。

さらにフルオートの機能をつければ、水位を測って自動で湯を足し、水温が下がることも予想してぬるくなる前に追い炊きが動き出します。さらに水位計で残り水を検知しているので、排水時には自動で追い焚き用の配管内を掃除して、新しい湯をはる時の清潔さを保つ機能もあり、ただの追い焚きの機能ではありません。

同じように滑りにくい、暖かいに加え、早く湿気を取り、汚れにくい、掃除しやすい、抗菌・防カビといった掃除やメンテナンスを考えた機能も充実しています。もちろん、シャワーの種類もミストやエアイン、マッサージシャワー等も豊富に揃い、浴槽には肩の蛇口や水流で腰もみの機能がついているものもあります。

予算が許せば、お風呂の機能性はいくらでも高まります。技術的な性能だけではなく、本当のリラックス効果を得ようと思えば、さらに理想のお風呂を設計することもできます。たとえば、庭と一体になったお風呂です。窓外の樹木を見て季節の移ろいを感じ、外の空気を吸いながら湯船に浸かれば、まさに温泉地の露天のように感じられます。

もちろん、決して広い庭を必要とするわけではありません。上手に視線を遮ることさえすれば、お風呂の外庭を取り込むことができるのです。日本人のお風呂の楽しみ方の健闘味を、毎日過ごす家の中で味わえるようになります。のんびりと湯に浸かり、自分の好きなことを頭に巡らせている瞬間。これ以上の喜びはないことでしょう。