
目地を見ると仕事力がわかる
日本の住宅の相当な部分はサイデイングです。
サイデイングは工場生産の大判のボードを外壁用として現場で組み立てます。
以前の外壁は荒壁の上から下地材の板を貼って金網(ラス)を貼り、
その上にモルタルを塗っていたものです。
現場施工が多く左官屋さんの技術力が仕上がりを左右したり、
この工法の宿命ともいえるクラック(ひび割れ)が問題だったりします。

モルタルに亀裂が入り補修している外壁
このモルタルに雨水対策として
塗料を塗るケースが多かったのですが、
これらの工法・仕上に代わって
サイデイングが大半を占めるようになってきました。
サイデイングは大手ハウスメーカーや分譲住宅では
全棟といっていいほどのシェアーを占めています。
サイデイングの主流派は窯土系です。
タイル調や塗壁調など種類も色も多彩です。
精工にプレスしてあり遠目には本物のタイルや石張りに見えます。
その大判のボードを貼って仕上げていくわけですが
ボードとボードのつなぎ目(目地)には
コーキング材を充填して雨水の侵入を防ぎます。

サイデイングのジョイント(つなぎ目)にコーキング
コーキング材は残念ながら紫外線に弱く、
およそ5~6年で劣化してしまいます。

コーキング材が劣化・硬化して口を開けたサイデイング
今ではつなぎ目(目地)のコーキング材が
表面に洗わない工法(引っかけ金物)も開発され
少し高価になるようですが普及しています。
いずれにしろ遠目にはともかく
近くで見ると目地(つなぎ目)が見えてしまいます。
この目地の処理の仕方で、その会社の技術力がわかる、という記事が『おうちの話』139号に掲載されています。
『おうちの話』は一般社団法人住まい文化研究会社が毎月2回発行してされている新聞です。
目地の処理の仕方などは確かに目立たない個所です。
そんな目につきにくい個所だからこそ、丁寧な仕事をしているかの施工力を問われる訳ですね。
発行人の石川先生の慧眼に脱帽です。
おうちの話のバックナンバーを揃えています。
書籍にもなっていますので新築やリフォーム予定の方には購読をお勧めします