断熱材のウレタン吹付ってどうよ?

断熱材のウレタン吹付ってどうよ?

この数年前から現場でウレタンを吹き付ける
断熱工法が増えています。

・ウレタン断熱材とは
ポリエチレン(PE)に発泡剤を混ぜて
断熱材にしています。
ポリエチレンは石油を原料とした樹脂系の材料です。
このPEに発泡剤を入れることで細かい空気のツブが
無数に生まれます。
現場で発泡している工事現場ではウレタン材を
吹き付けるとマシュマロのような柔らかな塊が
モコモコと膨らんできます。
まるでソフトクリームみたいです。
細かい無数の空気が断熱の役割を果たしてくれます。

・発泡ウレタンの特徴
工事現場で壁や天井に直接吹き付けるのでくまなく
ウレタン材が行きわたります。
その効果は隙間がなくなることでC値(相当隙間面積)が
よくなることです。
隙間の少ない家は断熱効率がいいだけではありません。
換気の効率も良くなります。
C値が低いことで温度差が少なくなります。
床と天井の温度差が少なくなると足元が寒いけど顔が
火照るような感覚がありません。
またリビングと廊下や洗面所との温度差も少なくなります。
その意味では断熱以上に気密(C値)は大切なことです。

・発泡ウレタンの短所
ウレタンは水(湿気)に弱く経年変化でボロボロになる!
と疑われることがあるようですが、その疑いは少ないと
思われます。
但し経年変化で小さく縮む恐れはあると思います。
せっかく隙間なく吹き付けたにも関わらず縮んだために
柱との間に隙間が生じる懸念は残ります。
ちょうど昔(荒壁)の家で柱と壁に亀裂のような隙間が
ある状態です。
これは相当な期間を経なければ起こらないとは思いますが
この状態になると一番懸念されるのが断熱欠損です。
ウレタン断熱のある場所とない場所があると、そこで
結露が生じます。
この現象が一番怖いと思っています。

・やっぱり石油樹脂系だった
現場見学会に参加した方から。
構造見学会のお誘いを受けて参加してきました。
アレルゲン体質があるその方は一歩中へ入るなり
目がチカチカする。
鼻がムズムズする。と
おっしゃって、すぐ退散されました。
ウレタン吹付がむき出し状態での構造見学会でしたので
石膏ボードで仕上げてからの完成見学会に再度来て
いただきました。
残念ながら結果は同じ。
やはり目から涙状態です。
石油系樹脂系の材料はアレルギーの方には慎重に扱わねば
ならないようです。

・発泡ウレタンの断熱効果
断熱材としての数値は熱抵抗値(又は熱伝導率)で表します。
発泡ウレタンの熱抵抗値=0.035~0.04w/mです。
現在も最も多く使われているグラスウールの場合は
10Kの場合=0.05w/m 15Kの場合=0.045
高性能グラスウールの場合=0.038
ですから同じ厚みなら高性能グラスウールなみですね。
ところがグラスウールは壁の厚みにあわせて100mm。
現場発泡のウレタンは70mm程度が多いです。
これを計算するとねつ抵抗値は30%少なくなります。
断熱性能が高いと喧伝している現場発泡ウレタンは
熱抵抗値は0.045~0.052となり最も安価な10Kの
グラスウールと同等になります。
断熱性能で現場発泡のウレタンを選択するのは少し
違うのではないでしょうか。

・発泡ウレタンの価格
ウレタン断熱材を現場で施行するのは高価だと思われて
いるようです。
通常の価格を調べてみると下記の価格帯のようです。
(施工会社によりバラつきがあります)
壁に吹き付けた場合 ¥2000~2500/㎡
天井に吹き付けた場合 ¥3500/㎡ 程度のようです。
価格的にはグラウウール10Kの約2倍。
セルロースファイバーとほぼ同程度ですね。

 

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