ニルバの知恵袋

シロアリとホウ酸

ホウ酸がシロアリやゴキブリに有効なのは、ご存知の通り虫には肝臓がないので
有害物質を体内に入れても排出できません。

ホウ酸がシロアリやゴキブリの体内に入ると水分不足で死滅するそうです。
しかし、その場で死ぬのではなく巣に戻ってから死亡するそうです。
その死骸に残っているホウ酸が仲間のシロアリやゴキブリに伝播して全滅していく。

さて、こんな質問をいただきました。
グリーン材(未乾燥材)にホウ酸を塗布する場合はホウ酸は内部まで浸透する。
しかしKD材(乾燥材)の場合は表面に付着するだけで、その表面をシロアリが
かじった場合は、そこから木材内部に入ってくるので効果がないのではないか?

確かに乾燥材にホウ酸の水溶液を塗布した場合、グリーン材ほどには浸透しにくい
のは事実だと思います。が
ホウ酸の性格として木材の深部へ浸透する。
まして表面の一部をかじったところで面積はどの程度でしょうか?
現実にホウ酸がシロアリ防虫剤として認可されている事実は疑いようがないと思われます。

ダニ・イラスト

私がシロアリ対策に興味を持ち始めたのは阪神大侵害からです。
当時、倒壊した家屋の全部が木造だという論調の記事が新聞に載っていました。
だから木造は弱い!と言わんばかりです。
そんな馬鹿な!と調べてみると・・・・
倒壊した木造住宅には大きな特徴がありました。
一つは南面に大きな開口があり耐力が極端に偏っていたこと。
もう一つは土台や柱の下部が腐っていたことです。

床下結露
床下腐敗

以来、床下の乾燥に執念を燃やしてきました。
木部が腐敗(腐朽菌にやられる)のは湿気が原因です。
湿って腐敗した木部はシロアリの好餌です。

床下乾燥の勉強をしていた時に出会ったのが、神谷忠弘氏著「床下が危ない」
読本でした。
神谷氏はシロアリ対策の日本一と言われる人です。

床下が危ない

また一年間通学した学校での講座でシロアリの講義があり、その時の先生が
神谷氏の高弟のひとりでした。
その先生と、もう一人シロアリ講座の教壇に立たれた大学教授とは懇親会で
シロアリ談義でした。

https://www.facebook.com/SocietyofArchitecturalPathologistsJapan

シロアリは害虫呼ばわりされているけれど可愛い益虫だよ。
自宅で飼っているとも言われていました。

益虫?
確かに林の中のシロアリ君は腐敗した木や葉っぱを餌にしていて自然界に戻す役割も
担っているのですね。

でも家に入られると柱をかじられる害虫になります。
その大学の先生は家の中には入ってこないように工夫されているそうです。

ご存知の通りシロアリの生存条件は湿気と空気と餌(腐った木など)です。
乾燥状態だと活動できない(入ってこない)。
だから床下の乾燥(湿度55%以下)が理想の条件です。

シロアリはまた、風に弱い特性もあります。
だから基礎パッキンのJYOTOさんは通気パッキンでシロアリ保証をしています。
しかし残念ながら通気パッキン施工の床下で、確認すると分かりますが、通気は
ほとんど感じられません。
事実JYOTOさんが保険適用した住宅が数棟あるそうです。
私も基礎パッキンを施工しておきながらカビ菌が発生した苦い経験があります。

シロアリ君は風が苦手。
明るい場所も苦手。
だから蟻道と呼ばれるトンネルを作って移動します。

トンネルの材料は自身の排出物にかじった木片や断熱材。
木片そのものも、断熱材も餌ではありません。
食料ではなくトンネルの部材です。

 

ここで怖いのが基礎断熱を外貼りするケースです。
断熱材の中は暖かいのでシロアリ君にとっても居心地がよさそう。
外貼断熱材は、その外部からモルタルで仕上げます。
(断熱材が紫外線に弱いからです)

外貼り断熱材でもホウ酸を混入した部材。
シロアリがかじれられない程、固い材料で作った断熱材などが
販売されています。

大変、残念なことにシロアリを100%撤退させる方法はないようです。
この世に100%がないのと同じです。
我々の建築も絶対と断言できる建材や工法がないのと同じです。
よりベターを選択し続けるしかないのでしょう。

先述の懇親会でもシロアリに絶対はない。
理想はプロに年一回床下点検で蟻道が発生していないかなど診てもらうこと。
年に一回が無理なら三年に一回、少なくても五年に一回実施するべきだとの
意見で、先述の先生たちと一致しました。

今回のご質問に正面からの回答にはなりませんでしたが私流に思っていることは
① 床下は特に乾燥状態を保つこと(珪藻頁岩の粒子※)
② 体に優しい防虫処理をすること(やっぱりホウ酸がおすすめ)

※珪藻頁岩を床下に散布した実験データが豊富にあります。
※米国では防虫剤のシェアーでホウ酸がダントツです。

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