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坪単価いくらでできるの?おうちのはなし118

工事価格の見極め方坪単価いくらでできるの?

・坪単価61万9千円
・本体工事費とオプション工事
・別途工事費とはどんなもの?

「ところで工事費はいくらになるのか?」。施主にとっては最も単純で根源的な疑問です。

それは新築だけではなく、リフォームでも同じことかといって、工事の見積書を見てもなかなかわかりにくく、各社の見積書を比べてもわかりにくいものです。住宅の工事費はどのように見極めれば良いのでしょうか。

🏡坪単価61万9千円

「坪単価いくらでできるの?」と聞かれてもじつは答える建築会社の方も、どのように答えて良いものか迷っています。少しでもお客様に分かりやすく答えたいと思っても、なかなか説明が難しい不確定な要素があるのです。

聞く側でも十分に理解していただけないと、大きな誤解が生じかねません。でも、大きなデータからはおおよその坪単価を知ることはできます。たとえば直近の2015年に注文住宅として建てられた家の坪数の総合計は、およそ1千万坪弱あります。

同じ調査データの中で工事費予定額は、6兆1千万円弱。これを単純に割って坪単価を算出すると、61万9千円となります。この注文住宅のデータは県によっても違いがあり、最も高い東京の71万2千円から、宮崎の51万3千円まで差があります。

また、建売住宅の坪単価は、想像する通り安く坪40万円台でできている県も少なくありません。さらに建てられている戸数が最も多い貸家住宅は、じつは注文住宅よりも高く63万6千円となっています。一方、大手メーカーの坪単価は80万円といわれています。

しかし注文住宅では、大手メーカーで建てている人は意外と少ないので、平均の価格にはあまり影響はありません。とにかくおよそ61万円というのが、今の坪単価の目安ということになります。

🏡坪単価は目安になるのか?

しかし坪単価は、いろいろと変動する要素が多く単純な目安とはなりにくいものです。最も単純な事例では、建物の規模によって変わります。

キッチンセットや浴室などの水周り設備は、家の大きさにかかわらず必要です。仮に200万円の設備費は、25坪の家では坪8万円となりますが、これが50坪の家では坪4万円です。つまり、小さな家ほど坪単価は高くなりやすいのです。また、建物の形によっても坪単価は変わります。

たとえば、4間×5間で20坪の家と、10間×2間の同じ20坪の家では、工事する壁の長さが違います。前者は18間分の壁の長さですが、後者の細長い家では24間分の長さなります。壁だけでも3割以上余分に工事費がかかります。

また、四角い建物に対して角が欠けた建物では、床面積は少なくなりますが、外壁の長さは全く変わりません。結局、正方形に近い家ほど、坪単価は安くなるのです。さらに、平屋と2階建てでも同じことがいえます。たとえば40坪の平屋と2階建ての場合、平屋では40坪分の基礎と屋根が必要ですが、総2階の家であれば、半分の20坪分の基礎と屋根があればすみます。

2階建てよりも平屋の方が坪単価が高くなりやすいということです。このように坪単価は、建物の形によっても個別に大きく変わります。ですから坪単価はなかなか答えにくいものであり、大きな誤解を生みやすいものなのです。

🏡坪単価を目安にするには

坪単価の不確実さは、まだ他にもあります。たとえば坪単価の母数となる面積の算出にも不明確な部分があります。たとえばバルコニーや吹き抜けは、建築する床面積に含まれませんが、それなりに工事費がかかります。そのためバルコニー等を施工面積として数えて、坪単価を表示している企業もあります。

一般的な床面積よりも広くなるので、坪単価では割安の金額になります。逆に面積に入れないと、追加の工事費がかかる分、割高の坪単価となります。坪単価だけの表示では、こうした面積の扱い方も聞いて、注意をしなければなりません。坪単価で比較をするためには基本的には同じプランで比較をすることに勝る方法はありません。せめて同じ程度の面積で比較、することをお勧めします。

また、見かけは安い坪単価であっても、建設に当たって必要となる追加工事が発生することがあります。そのためには、さらに家の工事費の範囲を理解しておかなければなりません。

🏡本体工事費とオプション工事

本体工事費と別途工事費とは、単純にいえば、建物そのものの建設工事に関わる費用と、敷地などの状況によって変動する工事費の違いです。つまり、どこの敷地に建てても、おおよそ変わることがないのが本体工事費です。この本体工事費も、標準工事とオプション工事に分けられます。

たとえばちょっと贅沢なキッチンセットを選んだり、特注家具を作れば価格は高くなります。また、安価なビニールクロスではなく塗り壁にすると、手間賃が高い左官の作業が必要となり価格は高くなります。こうした本体工事費を整理するためには、標準的な工事費と、要望によってグレードを上げた、いわばオプションの工事費を分けておく必要があります。

残念ながら業界を通じて標準工事を決めることは行われていませんが、自主管理基準があります。たとえば、玄関や廊下、水周りなどの照明器具は標準とし、建て主の意向で変わることの大きい居室の照明器具は、オプションエ事の扱いとなります。

こうした標準仕様の本体工事であれば、敷地などの条件に関係なく同じ価格で建てられるはずです。坪単価で比較するためには、この標準工事費の価格で見なければ分かりません。

🏡別途工事費はどんなもの?

ただ、本体工事費だけで家ができるわけではありません。前述の通り、敷地などの条件によって変わる別途工事が必要です。こうした工事は、避けては通れないことも多いのでオプション工事のように、今はガマンをして費用を押さえておくということもできません。

たとえば建設する土地が更地であれば、問題はありませんが、既存の建物が残っていれば解体のための工事が必要になります。しかも、ただ取り壊せば良いだけではなく、環境時代の今では解体後の廃棄物処分費用もかかります。この他にもある、単純な項目をいくつか上げておきます。

■基礎補強工事費

敷地の状況により大きく工事質が変わる代表的な工事が基礎工事です。標準的な地耐力値は50kNとされています。これよりも弱い軟弱地盤の場合には、基礎補強が必要です。30kN以上であれば、接地面を大きくするとかベタ基礎にするなどの方法で対処も可能ですが、それ以下では地盤改良や杭打ちなどの対処をしなければ建ちません。

そのために、必ず地耐力調査を行います。地盤が弱ければ弱いほど、基礎にかかる費用は大きくなるといえます。また、地震のときの液状化対策の必要がある取地もあります。抗だけではなく置き換え工法など、最近ではさまざまな手法があり工事費が軽くなる場合もあります。いずれにしても取地によって大きく工事費が変わる要素のひとつです。

■設備工事

標準工事では電気・給排水工事は建物から1mとしています。それ以上の工事については、距離が長くなったり、高低差があると工事費の条件は変わります。敷地が広く長く引き込むほど高くなります。給水工事では予想外の工事も発生します。

すでに敷地内に引き込まれている水道管が13mmの場合は、水道管を引き込みなおす必要があります。最近の家の給水量なら、20mmの水道管が必要です。この場合は、敷地前面の道路を堀り、給水管をつなぎ、その後道路を復旧させる工事まで行わなければなりません。ガス工事は電気・水道工事とは、また違います。

都市ガスとプロパンガスで、供給体制の違いから工事費の差がでます。一般的にはプロパンガスの場合、屋内のガス工事までガス会社が負担してくれるので工事は安くなりますが、ガスの使用は高くなります。市スであれば、内外のガス工事を負担しなければなりません。

■小運搬・養生費

都心部などで敷地が狭いと、仮置きの土地を用意するなど、別途の工事がかかる場合があります。敷地だけでなく前面の道路が使いと、大型のトラックの入ができないとか、重機が利用できないなどの条件が重なると、小顔や人手による工事になるなど、予想外の工事がかかる場合があります。

逆に、大きな国道に面していても、エ事車両などの話に、人員が必要となることで余分な人件費が必要となることもあります。

■カーテン・造園

カーテン工事も建て主の要望に左右され、引渡し後に設営されることもあるため、別途工事と考えます。また、和室では甲子があってカーテン工事がないこともありえます。同様に玄関アプローチやデッキ等の外消工事や団工事も、別途工事とします。

■照明・空調

個室の照明器具とエアコンなどの空調も、家族の要望によって大きく差異がでます。エアコンをつける部屋と、つけない部屋の選択も建て主にゆだねられ、住み始めてから後に、リフォーム等で追加的に工事をすることもできます。そのため本来は別途工事とされてきました。

しかし平成25年の省エネ基準では、断熱性などの住宅の熱性能だけではなく、消費エネルギー量も基準に含まれるようになりました。家の性能を定めるためにも照明器具やエアコンなどを工事員として定める方向性にあります。これらの別途工事を含めて、最終的には総額費用で検討しなければ、本当の工事費はわかりません。

安い坪単価の表示をして、最終的には誤解をまねくような商法は、こうした別途工事の詳細を知らないことを利用したものです。坪単価は当初の目安にしておきましょう。また、新築だけではなくリフォームでも、同じことがいえます。

工事費の中にある、材料の費用、廃棄にかかる費用、養生など特殊な事情の費用などをしっかり知ることで、本当の工事費が見えてきます。住宅の工事費はとてもわかりにくいものですが、あきらめずにしっかり見ることがとても大事です。

追記

〇 いろいろな建築会社と比較する尺度と便利ですが
  坪単価の表現は難しく、正しく比較することが困難です。

〇 単に坪単価だけでなく、自分の求めている住まいが
  総額いくらで実現するのかを検討するのが賢明でしょう。
 
〇 建築会社を比較するには同じ間取り坪数で同じ仕様で
  総額を比較するのが正しい方法ですが、この金額以外に
  その会社の実績や技術力、スタッフの能力、中でも
  社長の住宅に対する思い入れなど十分に検討すべきでしょう。

〇 2015年の国土交通省発表のデータでは
  坪単価61万9千円になっています。
  地域差も一部掲載されていますので参考にしましょう。

〇 大手ハウスメーカーの坪単価は80万円以上といわれています。
  総合展示場では100万円~120万円が相場といわれています。
  実生活とかけ離れすぎてピンとこない人も多いのではないでしょうか。

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