おうちの話

風水とホルムアルデヒドおうちのはなし126

信じることと感じること風水とホルムアルデヒド

・家相を気にしますか?
・アレルギーはありますか?
・信じる者は救われる

誰でもが皆、幸せに暮らしたいと願っているものです。そのために、いろいろな手立てを駆使している人も少なくありません。じつにさまざまなことがきっかけになり、幸運をつかむ人もいれば、病にかかる人もいます。

その原因が風水や化学物質になることもあります。じつはこの2つの対処法には、共通点があるのです。

「家相を気にしますか?」

まったく家相を気にしないと答えるのには、ちょっとだけ勇気がいります。そして、同じように質問したいもうひとつの項目があります。「アレルギーがありますか?」現代の社会では、大なり小なり何かしらのアレルギーがある人の方が、多くなってきたように思えます。

じつは、家相や風水を信じることと、アレルギーなどを感じることは、明解なエビデンスで解決させることができない難しい問題です。そして、問題が起きてから対処をするよりも、事前にできることをしておかなければなりません。

そんな共通点があります。では、まずは家相や風水とは、どんなものでしょうか。風水は、長い歴史の中から経験則をまとめあげた方位学であり、それなりに根拠もあるはずです。基本的な考え方は、陰陽五行に始まります。

たとえば多くの家相では、東南の巽(辰巳)と北西の乾(戌亥)を吉とし、北東の艮(丑寅)を鬼門、南西の坤(未申)が裏鬼門です。巽の東南は、日当たりも良いので陽、その反対の北西が陰となります。そして、この陰陽が切り替わる北東と南西は、気が乱れやすいので鬼門とされているのです。

そして忌み嫌われている鬼門、裏鬼門には、特に水周りや玄関などを配置しないようにします。このような話しの根拠として、中国では鬼門の北西方向から風が吹くので、湿気の多い水周りを配置すると家全体に湿気が広がってしまうなどという説明があり、まことしやかに語られています。

しかし、鬼門を嫌うのは日本だけ 風習であって、じつは中国では鬼門を忌み嫌っているわけではありません。鬼門は鬼門として、活用を考えなければなりません。

方位の基本

方位学としての風水の基本は、平安時代の『作庭記』に書かれているのが、日本では最古のものです。

四神相応の地となしてみぬれば官位福禄そなはりて無病長寿なり

東西南北のそれぞれにある四神を敬い拝することで、成功と健康と長生きができると考えられていました。その四神とは、よく聞く、東に青龍、南に朱雀、西に白虎、北に玄武です。それぞれに、流水としての川や、池や耕作地、大道、丘や山を表していて、その意味では地の理に原点があるものです。

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さらには陰宅風水と陽宅風水があり、陰宅とはお墓のことで、陽宅が住居です。じつは基本は陰宅の相が優先されていました。ちょっと古い村落に行くと、お墓の方が住居よりも良い立地のところにあるのは、この風水の考え方が活かされているからでしょう。

陽宅の家相も、最初に建てるべき土地であるか、それとも建ててはいけない土地であるかが始まりです。日本でも古代から、癒(いや)しろ地や穢(けが)れ地と呼び、土地の善し悪しの判断をしていたようです。そして穢れ地には炭を埋めて、癒しろ地に変えることもしていました。

『作庭記』の中には、庭づくりとしての禁忌の数々や四神相応の地と代える植樹法などが指南されています。現代の間取りやインテリアの家相としての風水は、この本流の中から派生して生まれてきたと考えられます。おそらく占う人によって、千差万別の答えがあるものと考えられます。そして、信じるか否かは、本人の問題です。

信じることは大切に

「最近の住宅は、さまざまな部品も工場で生産されるものが多いので、今さら気にする必要はありませんよ」このような現実的なアドバイスを聞くこともあると思います。確かに、現代の建物では、水仕舞いの技術も進化して、湿気の不安も少なくなりました。

また、昨今では地鎮祭や上棟式を行なわない人の方が、すでに多くなっています。また、家相や風水といっても、出自が怪しいのもたくさんあります。しかし、あえて悪い家相の間取りに住もうとは思わないでしょう。現代の家は、平均でも40坪弱と家が小さくなっています。

しかも2階建てなら、建坪は半分の20坪程しかありません。家の中心から家相の方位を確認しても、中心からあまり離れていないので、たとえば1坪の浴室でも複数の方位にかかってしまうことがあります。『作庭記』が書かれた時代の、荘園や書院づくりのような大きな建物であれば、風水を凝らして間取りを検討することもできますが、小さな家では完ペきな家相は難しく、どこかで凶相に抵触することになるものです。

と、重ねて家相が無用であることを書きましたが、これで解決することではありません。将来になにかが起きた。時には、必ず不安の種としてて思い出すことになるものなのです。信じている。ことを変えるは、宗教を変えるようなもので、簡単ではありません。ましてや風水師を先生と敬い、信頼している関係であればなおさらです。信じていることは、大切にする方が賢明です。

かといって、家相や風水を完全にクリアした間取りは不可能であり、建設時期も家族全員に完璧なタイミングはありません。このような場合には、その信じている風水師に、凶相にあたる部位をしっかりと清めてもらうことが良いでしょう。お祓いによって破れを清めることは、古来、行われてきたことです。

「これで安心して暮らせますよ」という一言を、自分が信じている風水師からもらえると、初めて心の安心が得られます。それ以上に、家相に対する最善の策はないでしょう。

アレルギーはありますか?

住宅のアレルギー問題は、こうした信じることとはまったく違うものです。そもそも、宗教と医学の違いともいえ、原因を探れば科学的に分析できそうです。家が原因となって人の健康を害することは、とても不幸なことであり、あってはならないことです。

リフォームや新築の現場では、家相と同じように日常的にアレルギー問題への対処が求められています。家族のアレルギーについて、確認しておくことは大事な手順のひとつです。その代表として上げられるのは、揮発性有機化合物(VOC)であり、ホルムアルデヒドの名をよく耳にします。

逆に、健康住宅をイメージして、自然素材とか天然素材でつくる住宅やリフォーム会社も増えてきました。しかしアレルギーの問題は、そんなに簡単なことではありません。最も端的な例をあげれば、スギ花粉です。毎年春になると、スギ花粉に悩まされる人が大勢いますが、スギ花粉は100%自然素材です。つまり自然素材、天然素材でもアレルギーを発症するということです。

VOCについては、世界保健機構(WHO)も成分の基準を出しています。ところがこの基準策定の過程で、いくつかのVOC成分が削除されたといいます。それは自然の木材の中にも含まれている成分だったからです。じつは木材も、化学式で書けばフェノール系の高分子樹脂です。そしてヒノキ特有の香りがあるのも、揮発性の物質が発散されているからです。

こうしたアレルギー反応は、血液検査で分析することもできます。また食物でも、蕎麦や小麦粉などのアレルギーもあって、決して化合物だけが悪者ではありません。逆に、ホルムアルデヒドも、完全な悪といい切れない面もあります。

たとえばVOCが規制されるまでに、大勢の職人は日常的に扱ってきましたが、特に支障をきたしているわけではありません。漆職人はもっと毒性の高い漆を扱います。漆に弱い人は、山で漆の木の近くを通っただけでもかぶれますが、漆職人は漆の樹液を触っても大丈夫です。

つまり、アレルギーというのは基本的に個人によって差があるものです。俗説の健康食品が人によって効く人がいるように、アレルギーも人によって毒になる人がいるということです。

感じることは絶対的

ホルムアルデヒドを含むVOCなどのアレルギー問題に個人の差があるとしても、それはまったく本人の問題ではありません。もちろん放っておくことなどできません。むしろ家をつくる側の立場としても、全力で対処しなければならないことです。

家相のように、信じていることを変えるのが難しいように、感じてしまうことを変えるのはもっと難しいことです。スギ花粉のアレルギーが増えてきたように、ホルムアルデヒドに対するアレルギー反応も増えて問題視されています。

そのため今では、低ホルムアルデヒドの、F☆☆☆☆の材料が多くなりました。しかし、使っている建材にF☆☆☆☆を使っているとどんなに説明しても、感じてしまえばなす術はありません。じつは、たとえF☆☆☆☆でも、ホルムアルデヒドが0(ゼロ)になっているわけではありません。

とにかく、「これで安心して暮らせますよ」という安心の確認が必要です。そこで、リフォームや新築住宅で、どうしてもアレルギーが心配な人には、サンプルの建材を取り寄せて、何日か添い寝をしていただくことをお勧めしています。多くの言葉よりも、感じることが一番です。薬学の世界では、プラセボ効果というのがあります。

新薬の開発にあたっては、さまざまな実験をして効能を発揮するエビデンスを得て、初めて薬として発売されます。たとえ動物実験で効果が確認できても、人間の薬となると簡単にはいきません。人間は感情の生き物ですから、情報を得て考えることで身体に影響が出てしまうのです。

そこで本当の薬効を検証するためには、プラセボという偽薬を処方したグループを作り、心理的な効果の度合いを検証しておく必要があります。病は気からといいますが、その通りで、なんの薬効もない物を飲んでも、効くと思うだけで人間には効くことがあります。

こうした心理効果を引いた上での本当の薬効を確認しなければ、人の薬にはならないのです。このプレセボ効果を逆に考えれば、これから長くつき合う建材と添い寝をしておくことはとても大事なことです。自分の身と感覚で確認することは、心理的な安心感を作ることに役立ちます。

そして「これで安心して暮らる」という確信を、自分自身の頭にすり込むことにもなります。ましてやアレルギーは、既存の物質だけではなく、未知の物質に反応している場合もありえます。そうなれば間違いなく、医師でも的確な判断には困ることでしょう。

自分の身体で感じていることに勝るプロフェッショナルはいないのです。せっかく新しい環境を求めて、新築やリフォームをするなら、添い寝のサンプルを手配をしてくれるような丁寧な建設会社に頼むのが良いでしょう。この冊子をお配りしている企業を含め、きっとお近くにあるはずです。

追記

・家相を気にしますか?家相の代表として話題に上るのが風水でしょう。風水は長い歴史の中から経験則をまとめあげた方位学です。それなりに根拠がもあるはずです。基本的な考え方は陰陽五行に始まります。

・ほかにも、四柱推命や占星術などがあります。太陽が昇ってくる真東を入り口に推奨している超越瞑想の思想もありあまりこだわると建築できなくなりそうですね。

・何を信じるかは大切なことかも知れませんが、もっと大切なことは何を感じるかだと思います。中国伝来の陰陽五行も方位に何を感じるかがスタートだったと思われます。風水、すなわち風や水(雨や川、池)自然から何かを感じて起居に健康に取り入れた生き方と思います。

・ホルムアルデヒドは国がシックハウス対策として発症の原因が少ない建材を推奨して名前が根付きました。いわゆるF☆(フォースター)の建材はホルムアルデヒドの発散がすくないのである程度、義務付けされています。しかし、F☆の建材さえ使えば全てが大丈夫なわけではありません。風水と同じく人により感覚の温度差があります。

・ホルムアルデヒドに敏感な体質の方もいらっしゃれば、そうでない人もおられます。せっかく新築が完成したのに入居まもなく原因不明の頭痛を訴えて医者もサジを投げた不幸な方にエアープロットをガラス面に施工しただけで根治した例もあります。

・新築でもリフォームでも使用予定の建材を事前に預かり枕元において寝てみるのもお勧めの方法です。

・ニルバホームではホルムアルデヒドや花粉対策にエアープロットを始めから標準仕様にしています。

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