おうちの話

インテリア・スタイル・ブックおうちのはなし180

家具のコーディネート術インテリア・スタイル・ブック

・シンプル・イズ・ベスト
・スタイルブック
・国別インテリア

住むための空間があっても、生活のためのグッズが揃わないと、現実の暮らしは適いません。せっかくのこだわりのグッズを、センスを凝らして選んでも、なかなか全体のコーディネートは難しいものです。

その上、いざ住み始めるとインテリアも少しずつ崩れてゆくような気がします。インテリアコーディネートのポイントは、どこにあるのでしょうか。

❖「simple is best」

インテリアを始めとするデザインを考える時に、「simple is best」という言葉を聞くことが多いと思います。さまざまな要素をできる限りそぎ落として単純化されるほど、デザインは落ち着き洗練されて感じます。

インテリアを含めるさまざまなデザインの要素には、点・線・面・寸・色・柄・材・質・形・様があり、これらの組合せをデザインとして見ています。

これらのそれぞれの要素が、シンプルでなくなればなくなるほど、雑多なイメージが強くなります。その意味では確かに「simple is best」はデザインの基本です。カタログやWEB上で見かける素敵なインテリア写真の多くにも共通していると思われます。

しかし見ていて、ちょっとだけ違和感を覚えないこともありません。それは、現実の生活では絶対に必要になるようなものが見当たらないことです。さらには、実際の生活は時間をかけて達成するものですが、あまりにも、写真を撮る瞬間だけのシーンと思えてしまうことなどです。

たとえば、本棚を想像してみれば体感できるかもしれません。一般的な、家庭にある3列ほどの本棚でよいのです。「simple is best」であれば、その本棚にある書籍を同じサイズ、同じカバーやファイルで揃えます。あるいは、すべて全集が並んでいるとしたら、それは写真に撮っても綺麗に整理された本棚のようです。

しかし、全集だけの本棚は、とても自然な風景に感じない人の方が多いと思います。本というのは、一度に買うものではなく、読みたいものを買ってゆくうちに揃うものです。当然、サイズや色も違い、整理もとても難しいものです。

そして本を縦横に雑然と入れたのでは、どんなにデザインしても醜い本棚になってしまいます。せめて本の高さやサイズを合わせて並べれば、多少の整理はつきますが、これでも雑然とした感覚はぬぐうことはできないでしょう。

それは本棚ではなく、インテリア家具も同じことです、家具もいろいろと買い足してゆくものです。でも残念ながら、用途も違うので、家具は本のようにサイズを基準に並べることもできません。

さらに雑然と並んだ本棚でも、たとえば絵本ばかりの本屋さんもあるようにジャンルが統一されたり、一人の作家の本を並べたりすると、印象は大きく変わります。そして、サイズや色のばらつきも気にならなくなります。

つまり本棚にも個性が見えてくるということです。あるいはインテリアであれば、様式が見えてくるのです。また、その本棚が3列分ではなく、30列も連なって壁の一部となればどうでしょうか。

それは逆に、立派なインテリアの本棚として成立します。本を一冊も置かないミニマリストのようなデザインとは対極の、マキシマリストのデザインであり、達成するまでには時間と歴史を要します。

「simple is best」は完成時が一番良い状態であり、時間とともに崩れる可能性もあります。それを考えると、シンプルであることは最上のことではなく、基本となることです。

これらのことを考えると、「simple is best」と考える方が、適しているのかもしれません。

❖コーディネート・テーマ

インテリアにかかわる家具は、日本だけではなく海外までを含めると、無限にあるといっても過言ではないでしょう。ソファやテーブルなどはもちろん、収納家具や飾り棚、照明器具やカーテン、さらには家電製品も日常的に使います。

そして、それぞれのデザインもなかなか個性が強いものがあります。これらのアイテムの個性がひとつの部屋の中でぶつかり合って、インテリアが損なわれかねません。たとえグッドデザインを受賞したものを集めても、グッドデザインの部屋ができるわけではないのです。

その上、自分の好みも状況や気分によって変わるものです。こうした状況下で、魅力あるインテリアコーディネート術を進めるためには、なによりもテーマをしっかり定めることが大切です。そのヒントとなる指標があります。

住宅やホテルのインテリアデザインを3,000件以上も手掛けてきた株式会社デザインクラブで使用されている『スタイルブック』です。同社では、住まいのインテリアコーディネートレシピをまとめた『すまレピ』を公開しています。

リビング・ダイニングはもちろん、ベッドルームやキッズルームや書斎・和室などの事例写真と同時に、これらを構成するインテリアアイテムの品番を、料理のレシピのように紹介しています。

このページを見ると、その写真に使われている家具がわかります。

その中でも、ヒントとなるインテリアのテーマカラーを、[LighteHeavy]、「CoolaWarm]の2つの座標で分け、18のカラーパターンで表現してあります。こうしたクラーを自分のテーマとしてしっかり決めておけば、自然とトータルのコーディネートを実践することができるようになります。

❖国別インテリア

この[スタイルブック]を利用して、もう少しコーディネートイメージが湧くように、欧米の国のインテリアイメージを重ねてみました。

たとえば、北欧やカナダと比べて、ドイツやイギリスなどのインテリアイメージのスタイルには重厚感があります。色合いはもちろんですが、木材ならマホガニーなどの重たい樹木や金属、皮革などを使い、家具そのものも軽やかではありません。

その上で、猫足や似密な加工を施しあたたかみを加えたイギリス家具のスタイルに対して、バウハウスで開発されてきたような金属感や工業化のクールなイメージがドイツにはあります。

また、同じように重厚でクールなスタイルでも、アメリカはちょっと都会的ですっきりしたインテリアになります。

逆に北欧やカナダは白木を使い、軽快なスタイルといえますが、自然であたたかみを感じるカナダに対して、フィンランドやスウェーデンなどの北欧は、IKEAにも通じるクールで少しモダンな洗練されたイメージとなります。

フランスやスペインやイタリアは、重軽量感は微妙な位置関係にありますが、ビビットな組み合わせを粋に感じるイタリアの方が、少しでも暖かさが抑えられています。そのスタイルをさらにモダンにして、材質の素材感を活かすと日本のスタイルです。

じつは近代の欧米の評価では、日本の和室の持つインテリアイメージが、モダンスタイルを生み出したといっても過言ではありません。

❖家具を選ぶ

この「スタイルブック」のページ内では、18のカラースタイルに合わせて、お勧めのインテリアアイテムをリスト化したページにリンクしています。

どのような家具を選んでいったらよいのかがわかるので参考になります。さらに、それぞれの家具のメーカーや仕様書も見ることができるので、まさにレシピとして検証することもできます。

このような紙面の活字情報だけでは伝わらない家具の選び方を、体験していただくことができます。家具のイメージが湧くと初めて、家全体のデザインの方針もイメージできるようになることもあります。

失敗しないインテリアデザインを進めるためにも、活用をお勧めします。

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